[概念実証の・・・仮説]

 動力伝達のブレーキ作用において、ディスクの平均半径R上の
   ブレーキ力:f [kgf]、
   境界摩擦の接触面数:n、
   摩擦係数:μ、
   単位面積当たりの面圧:p [kgf/mm2]、
   接触面の内外径:d1、d2、としたとき。
  ブレーキ力・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・f=nμF=nμ*(π/4)*d2^2-d1^2)p [kgf]   @
  制動トルク・・・Tf=(d/2)*f=((d1+d2)/4)*nμ*(π/4)*(d2^2-d1^2)p [kgf・mm]        A 
  又、仕事容量・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・nμp=10.0〜30 [m・kg/cm2・s]     B
 の@、A、B、が成り立つ。 

 [仮説-1]  
  今、自由回転環状体型ディスクの摩擦境界面回転速度をV0、ブレーキ作用が働くブレーキディスクの
  高速回転ディスク、低速ディスクの回転速度を各々V1、V2、自由回転環状体型ディスク数をN、とすると
  ・・・V0=(V1−V2)/(N+1)・・・V0は回転差に比例し、「N+1」に反比例する・・・・・・・・・・仮説の数式 C

[仮説-2]
  同じ設定値:制動トルク=11.0Nm、面圧=6.63kg/cm^2、摩擦係数=0.1、における回転数をV1、V2、V3、・・・、
  摩擦境界面の上昇温度をT1、T2、T3・・・とすると
  ・・・V1/T1=V2/T2=V3/T3・・・上昇温度は摩擦境界面の回転速度に比例する・・・・・・仮説の数式 D

[仮説-1、2、:数式C、Dの実証]

 ◆実験-1,2,3,4,5,6,7、による温度変化の実測値より、RRDB型ブレーキの温度上昇変化は
   従来型ブレーキの温度上昇変化と比較すると摩擦境界面回転速度に比例した数値を示した。
   すなわち、回転速度が小さいRRDB型ブレーキの温度は、従来型ブレーキの2分の1、3分の1、である。

 ◆RRDB型ブレーキの温度が小さくなった分のブレーキ容量、総熱量は小さくなるが、その分、 ブレーキ作用が
   働く摩擦境界面数を整数倍する必要がある。本実験の場合は従来型=2、RRDB型=4、である。

 ◆結果、実験30−表-1、2、3、に示す通りRRDB型ブレーキは、摩擦境界面の上昇温度が小さいが、
   ブレーキ容量、総熱量は従来型ブレーキと同じ数値であることを示している。仮説が正しい事を実証した。